第6回 メンバー対談 マキ × ishihara

 伝えたいことをすべて詰め込んで…



リーダーishiharaとメンバーによる対談シリーズもいよいよ最後(この特設ブログはまだまだ続きます)。今回はバンドの顔であるボーカリスト、マキの登場です。
今となってはその印象は薄れましたが、マキはFLCの2代目ボーカリストであり、他のメンバーとはちょっと違った想いが「1 sorrow,10 warmth」に封じ込められているようです。
また、片時も文庫本を手放さない文学少女(?)のマキは、自身の書いた歌詞に強いこだわりをみせますが、普段はその内容の解釈については語ろうとしません。それは、楽曲にも言えることで、自分で説明するよりも聴いた人、読んだ人に解釈してもらいたいという気持ちからくるものです。しかし、今回はちょこっとだけその解釈について踏み込んだ内容になりました。ライブのMCでは語られることのない様々な想いが語られた必読の対談です。












■タイトルにこめた想い

ishihara 「いよいよ今回がメンバー対談の最後となります。とりを務めるのは、アルバム紹介でも登場してもらったボーカルのマキです。ヨロシク」
マキ 「お願いしまーす」
ishihara 「曲紹介の時にざっくりと各曲のことについて話をしてきたけど、今日はすこし掘り下げて話をしていこうかなと思ってます。と、その前に、まずこのアルバムのタイトルの意味について話してもらおうか。このタイトルをつけたのはマキなんだよね。どんな想いをこめたタイトルなの?」
マキ 「 『1 sorrow,10 warmth』 っていうのは、日本語に直すと、『ひとつの悲しみ、10のぬくもり』 っていう意味になります。うーんと、うちの曲とか私の書く歌詞とかは、根っからの希望を歌ったわけではなくて、でも根っからの絶望を歌ってるわけでもないんですよ」
ishihara 「うん。基本的にFLCの音楽って歌詞も含めてネガティヴだよな。でもそれだけじゃない」
マキ 「生きていると、哀しいことってすごいいっぱいあると思うんですけど…、でも、生きていれば、嬉しいこととか、楽しいこととかは小さくてもいっぱいあって…」
ishihara 「哀しいことがあっても、ちょっと楽しいこととか幸せなことがあると、その哀しさって和らいだりするもんな」
マキ 「そうなんですよ! そういう小さいぬくもりがいっぱい周りには絶対あるから、どんな人でも。このアルバムがそれに気付くきっかけみたいになったら、すごく嬉しい。哀しいことは、絶対になくならないし、そういう哀しい気持ちから抜け出すのは自分自身でしかないけど、ちょっとでも、背中を押す手のひとつにでもなれたら…」
ishihara 「歌詞を書くときはそういうメッセージ性とか意識したりする?」
マキ 「曲によってまちまちですけど、そういうメッセージを特に込めたのは 『サウンド・イメージ』 ですね。私が 『サウンド・イメージ』 で一番言いたかったことは、ラストに全部書いていて、「笑おうか笑おうか、泣いても笑おうか、想像して素敵な明日」っていう歌詞があるんですけど、想像ってすごい大事だと思うんですよね。明日はいい日だって自分を鼓舞することによって、がんばろうっていう気持ちも大きくなったりすると思うし…」
ishihara 「そこまで内容に踏み込んで良いの? 結構マキって歌詞の解釈とかしたがらなかったじゃん?」
マキ 「曲によります(笑)。どの曲も歌詞を書くきっかけはあるけど、それは言わない(笑)。でも、歌詞をどう解釈してもらっても良いんですよ。ただ、たまたま 『サウンド・イメージ』 っていう曲は、聴く人に向けてのメッセージが強くなった曲だと思う」
ishihara 「なるほどね」
マキ 「きっかけとかを話出すと3日ぐらいかかっちゃうと思うんで、そこは内緒で(笑)」
ishihara 「実はそこが一番気になるって人が多いんじゃない?」
マキ 「個人的に聞いてくれればいくらでも話ますよ」
ishihara 「じゃあ、ライブとか来てもらって(笑)」
マキ 「CDも買ってもらって(笑)」







■FLCのボーカリストとしての自信

ishihara 「レコーディングはどうだった? 緊張した?」
マキ 「最初は緊張したけど、歌い始めちゃうと平気でした」
ishihara 「FLCでいうと、プロモ用のシングルを作ったことがあるじゃん? あの時と今回とではマキの中での取り組み方っていうか、気持ちの強さが違ったんじゃない?」
マキ 「全然違いますね。前の時は、まだ入りたてっていうのもあったし…」
ishihara 「あれは、マキがFLCに加入してすぐに作ったよな。加入後3ヶ月ぐらいだったっけ?」
マキ 「そんなもんですかねぇ…。前のボーカルさんの影を追ってるような、自分の中ではそんなイメージでやっていたんですけど…」
ishihara 「そうなんだ? 俺らからすればそんなの気にしなくても良いのにって感じだけど…。後からメンバーになるっていうのはそういうものなのかな?」
マキ 「結構そういう意識はありましたね」
ishihara 「今回はそれが払拭できた?」
マキ 「もう、私がボーカルですって胸を張って言えるようになったので、1曲1曲に対する気合いの入り方も違いましたよ」
ishihara 「成長したなぁ(笑)。でも、FLCのボーカルといえばマキだっていうのが確立できたのは間違いないね。今回のミニ・アルバムがやっとマキにとっての名刺代わりになるものになってるのかもね」
マキ 「そうですね。ishiharaさんはこのアルバムで一番のお気に入りってどの曲ですか?」
ishihara 「まぁ、全部お気に入りっていっちゃえば、それまでなんだけど、それだとずるいよな。うん。でも実際1曲にしぼることは難しいんだけど、『サウンド・イメージ』 はここ最近の中で特に気に入ってるな。あと、『音のない水』。このアルバムではこの2曲が連続で流れるじゃん? それ聴いて我ながら「すげー!」って思ったもん(笑)」
マキ 「 『音のない水』 はすっごい苦労したんですよ。歌詞を作るのも歌うのも」
ishihara 「お、そうなんだ? 曲紹介の時もこの曲はFLCならではの曲って言ってたけど、マキ的にも自信作だったりするの?」
マキ 「自信は全曲あるんですけど、曲紹介の時にも言ったけど、この曲の歌詞は私にしか書けないし、私しか歌えないと思います。この曲はすごい悩んだんですよ。メロはパッとできて、歌詞もわりとすぐにできたんですけど、あまりにも暗いのでこれで良いのかと(笑)」
ishihara 「そこから変えた?」
マキ 「いや、結局変えなかったですね。これって歌詞が暗いから、聴く人からみてどうかな? って思ったんですよね。でも、この曲を最初に聞いた時に、浮かんだイメージが “夜” で…真っ暗で…で、涙が流れてるっていうイメージだったんですよ。それをどうしても壊したくなかったから、押し通しました」
ishihara 「ふ〜ん、でもこの曲の歌詞から感じるのって暗さだけじゃないなぁ。なんていうか、優しさみたいものを感じる」
マキ 「なんか、絶望的な暗さではないんですよね。この歌詞を書いてる時に、自分の力だけはどうにもならないことがあって、すごく自分が無力だなって思ったんですよ」
ishihara 「うん」
マキ 「だから、泣き叫ぶっていうよりは、ただ涙が流れてるだけのイメージ…なんか諦めてるんですよね」
ishihara 「そうなんだ。でも、やっぱり俺にはそれだけじゃないように感じるな。なんだろう? 書いたマキが言ってることだからきっと直接的にはそういう内容なんだろうけど、やっぱり俺はどことなく希望へと通じる何かを感じる。とても弱いものだけど…」
マキ 「たぶん、歌詞がきれいだからだと思う。きれいにしようと思ったんですよね。汚い言葉を全然入れてないんです。ここまで入れてない歌詞はあまりないと思う。話し言葉もないし。でも、どう解釈してもらっても全然…むしろそれで考えてくれれば嬉しいし」
ishihara 「そうだね。この歌詞はそういう余地を残してるよね。そうそう、このタイトルをはじめて聞いた時には、俺はすごく良いタイトルだと思ったよ。『音のない水』 ってなんか、色々イメージできるよな。それこそ人によって解釈の仕方とか違うと思う」
マキ 「文学的な詞になりましたね。結果として(笑)」
ishihara 「さすが、文学少女! 少女?」
マキ 「ハハハハハ(笑)」



FLC加入2回目のライブで、まだ初々しさの残るマキ



■歌っててすごく楽しい!

ishihara 「今回のアルバムではこれまでとは違う歌い方にも挑戦してるよね。ファルセットを使うという。今まではあまり使ってなかったよね?」
マキ 「やったことなかったですね。ライブでもやってなかったし」
ishihara 「なんで今回ファルセットに挑戦したの?」
マキ 「歌詞の話ともダブっちゃうんですけど、やっぱりキレイなイメージでまとめたかった」
ishihara 「ファルセットを使ってる曲は 『音のない水』 だっけ?」
マキ 「それだけですね」
ishihara 「挑戦してみてどうだった?」
マキ 「普段は地声で出るボリュームがファルセットでは全然出ないんですよ。すっごい苦労しました」
ishihara 「さっき言ってた歌ってて苦労したっていうのはそれのことか」
マキ 「 『音のない水』 に関しては、自分の力量とかを考えないで作ったので(笑)。この曲を歌うためだけにかなり練習しました」
ishihara 「そういった意味でもこれまでのマキの限界を打ち破る曲になったな」
マキ 「そうですね」
ishihara 「なんか、話が 『音のない水』 に集中しちゃったから、他の曲の話もしておこうか。『夢のかけら』 なんかどう? 苦労したりとか、レコーディングでのエピソードとかある?」
マキ 「 『夢のかけら』 はすんなりレコーディングも終了しましたね。歌っててすごく楽しいんですよ、『夢のかけら』 は。なんか歌詞も明るいし、ライブでやってもお客さんの反応が一番ダイレクトに返ってくる曲だと思う」
ishihara 「この曲をマキが始めて歌った時のこと、覚えてるよ。スタジオの中で…その時はまだちゃんとした歌詞はなかったかな? でもメロはほとんど今のままだったと思うけど、それを俺たちの演奏に合わせて歌って、それ聴いた時に「これだ!」って思った。今までのFLCに無かったものが見つかったって感じ」
マキ 「この曲はメロもすんなりできましたね。この曲は今までもこれからもFLCの中では大事な曲になっていく曲だと思います」
ishihara 「そうだね。この曲はマキが加入してすぐの時に作ったシングルにも収録されてるんだけど、今回改めて録音しなおしたから、もしそのシングルを持ってる人がいたら、その違いも楽しんで欲しいね」
マキ 「ishiharaさんは他の曲で何かコメントはないですか?」
ishihara 「曲の展開のさせ方っていうところでは 『baby doll』 と 『ID』 には共通するものがあるんだよな」
マキ 「両方とも曲が長いとか?(*1)
ishihara 「そうじゃなくて(笑)。ミニマル・ミュージック的な手法を使ってるんだよ。ひとつのフレーズをループさせつつ、徐々に展開させていくっていう感じでさ…もちろんただ同じネタを使いまわしてるってことじゃないよ。ちゃんとそれぞれの狙いはある」
マキ 「ループさせる場所も雰囲気も違いますよね。『baby doll』 はAメロ? っていうのかな…前半で、穏やかな感じでループしてるし、『ID』 は中盤の長い間奏ですよね? 結構激しめな感じがする」
ishihara 「そうそう。で、こういうループする曲では、リズムの微妙な変化とか、ベース・ラインのちょっとした違いで遊ぶのが楽しいんだ。『baby doll』 なんか特にね。FLCの曲の中でも、このベース・ラインは特にお気に入りだね。『ID』 はループする中で、ギター、ベース、ドラムがお互いに掛け合いながらテンポ・アップして勢いが上昇して行くのが興奮する。ここのベースってただひたすらコードのルートを弾いてるだけなんだけど、リズムは周りの演奏に合わせて変化していってるんだよ。曲紹介の時にマキが俺のスイッチが入るって言ったけど、ここがそのスイッチになってるところだな。イメージ的には楽器隊が二人三脚でダッシュしてる感じ」
マキ 「喩えがよくわからないです(笑)」

(*1)曲が長い : 「ID」と「baby doll」は両方とも演奏時間が6分を超える曲となっている。







■メッセージ

ishihara 「じゃあ、最後にこれを読んでくれている人たちにメッセージをどうぞ」
マキ 「この 『1 sorrow,10 warmth」 っていうアルバムは、今のFLC にできる全部と、今のFLCが言いたいことを全部つめこんだアルバムだと思います。やっと自信を持って世に送り出せるものができたので、是非みんなに手にとって欲しいし、たくさん聴いてもらって、みんなにとっても大事なアルバムになって欲しいです」
ishihara 「是非そうなって欲しいね。このブログはまだまだ続きますが、メンバー対談は以上で終了になります。最後まで読んでくれたみなさんありがとうございました」
マキ 「ありがとうございました」



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